【文字】
 文字は2種類あります。
 ひとつは、チンギス・ハーンに時代に使い始められた伝統的な蒙古文字。これは日本語のように上から下へ縦書きにする独特な文字で、草書体に似ていて、縦文字と呼ばれています。もうひとつはロシア文字です。モンゴルが旧ソ連の友好国だった1940年代に公用文字が上記の縦文字からロシアのキリル文字に切り替えられました。ロシア語のアルファベットに母音字を2つ新しく加えたもの(35文字)が現在のモンゴル語のアルファベットです。(なぜかこのアルファベットは、白い頭〔ツァガーン・トルゴェ〕と呼ばれる。)
 そして、1990年の民主化以降,再び伝統的なモンゴル文字を見直す動きが出てきており、現在高校で縦文字が教えられています。
 私は派遣前研修でキリル文字を使った公用語のアルファベットでモンゴル語を勉強しました。ローマ字にはないものがたくさんあります。例えばБ、Г、Д、Ж、З、И、Й、Л、П、Ф、Ц、Ч、ШЮ、Яなどです。ローマ字にはあるが発音が異なるのもやっかいです。P→R、H→N、B→W、X→H、Y→U、y→O、C→Sのように発音します。発音も似て異なるため,かえって混乱してしまいます。また、発音しない文字(Ь)があるのも面白いです。

【発音】
 35文字のアルファベットの発音を覚えてしまえば、子音と母音の組み合わせで大体読めるようになっています。ただ母音が7つ、つまり日本語の「あいうえお」の当てはまらない母音〔ウとオの中間のような音)が2つあるので、その聞き分けが私には難しいです。モンゴル語を聞いていると全体的に曖昧なの発音が多いように感じます。また、つづりと食い違う発音(例外)も結構あるので,簡単とは言ってもスペイン語よりは難しいのではないでしょうか。

【文法】
 モンゴル語は日本語に似ていると聞いてはいましたが,勉強してみてびっくり。本当に似ているのです
 語順は日本語とほぼ同じです。日本語をモンゴル語の単語に入れ替えればそれで文になります。英語のように語順を考えなくてもすむので、非常に簡単です。例をあげてみましょう。
 Знз хавьд  шуудан  байна  уу (エネ ハウィード ショーダン バェノー)
 この   ちかくに   郵便局は     あります   か

 
 Шуудан хаана байна? (ショーダン  ハーナ  バェン)
 郵便局は    どこに   あります(か)
 
 言語を形態的類型に分類すると、モンゴル語は日本語と同じ膠着語の仲間に入っています。膠着語とは語幹に機能語や接辞をつけて様々な文法範疇を示す言葉。わかりやすく言えば「行く」と言う単語に「ない」をつければ「行かない」という否定の意味になり、「た」をつければ「行った」という過去になる。さらに、「行かなかった」のように否定、過去の両機能を膠(にかわ)のようにつけることも可能です。同様のことがモンゴル語でもできるのです。ЯВСАНГYЙЯВ(行く)САН(過去)ГYЙ(否定)となります。
 また、日本語の助詞と同様のはらたきをする語がモンゴル語にもあるのです。
 こんなに似ているとは、驚きです。日本の言語学者もさぞ驚いたことでしょう。

【面白い表現】
 「馬を見に行く」
    トイレに行くこと!伝統的なモンゴルの住居であるゲルでは、外にトイレがあります。それで、トイレに行く時には婉曲表現として「馬を見に行く」と言うそうです。馬がいない都会のウランバートルでもこの言葉は普通に使われています。因みにモンゴル語でトイレは「ビイー ザサル カザル」と3つの単語でなっていて、とても覚えにくいのです。

 「雨が入る」
    日本語では雨は「降る」、英語では「落ちる」。しかしモンゴル語では「入る」と言う単語を使います。「入る」とは、遮るもののない広大な大地に直接雨が突き刺さっていくような感じがしませんか。

 「ひとつ聞こう」
    人に道を尋ねる時、モンゴルでは「聞こう」と言います。モンゴル語に「お尋ねします」とか「教えてください」と言う言い方がないわけではなく、モンゴル人は概して謙ったものの言い方をしないのです。物を買う時も「もらおう」です。ちょっと横柄な感じに聞こえますが、これが普通なのです。
 
「もらう」と「買う」と「借りる」は同じ単語 「アウン」
 要するに、AからBの人へ物が移動する動きはすべて同じ単語で済ませるのです。「もらう」のか「借りる」のか明確にする必要がなかったというモンゴル人の考え方が根底になるのでしょう。自分は「貸した」つもりでも相手は「もらった」と思うかもしれません。そんな時には、少しの期間だけ「アウン」と言えばいいそうです。でも、一旦貸したら帰ってこないと思った方がいいというのが、モンゴル人からのアドバイスでした。

「テメー アホー」
 こんな風に言われたら日本人はびっくりしてしまいますよね。これはモンゴル語でラクダ(テメー)を買うか(アホー)と言う意味です。
 お店で品物を選んでいると、時々「アホー?」と聞かれて、ドキッとします。私はアホーじゃないよと思いますが、買いたい時は「ティーム(はい)」と言わなければなりません。

モンゴル語

モンゴル語ってどんな言葉?文法が日本語と酷似、びっくりです。

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