土地私有化政策

 モンゴルでは2003年から国民の土地の私有化を認める法律が施行されていた。
 2年後の今年の5月でその法律は効力を失うという。しかし、土地の私有化が思うように進んでいないことからこの法律をさらに2年間延長することがほぼ確実となっている。
 法律ではウランバートルに住むモンゴル国籍の市民1家族につき1回きりで0.07ヘクタールの土地を無償で与えるとなっている。ウランバール以外の主要都市では0.05ヘクタール、その他の地域では0.35ヘクタールなど土地の大きさは地域によって決められている。
 土地の私有化といえば,狭い日本に住んでいる私たちはすぐ飛びつきそうなものであるが、あまり土地に執着しないモンゴル人らしい反応である
 しかし、それにしてもただでくれるというのにどうしてもらわないのだろうかと、不思議に思ってモンゴルに長く住んでいる日本人に聞いてみた。すると、彼は土地所有の研究のためにモンゴルに来ているとのこと。彼によると、土地が無料でもらえるといっても手続きがとても面倒(社会主義時代の官僚主義の影響)なのだそうだ。そのうえ、ウランバートルのアパートに住んでいる人がもらえる土地は非常に不便なところにあり、もらっても利用しないだろう、もし利用しなければまた面倒なことになるかもしれない、などと考えている人が大多数らしい。
 一方、ゲル集落に住む家族は、現在住んでいる土地をそのままもらえるとあって、70パーセントは私有化が進んでいるという。
 緑の草原にぽつんと建っている真っ白いゲル・・・をイメージしていた私は、都会の密集したゲル集落、柵で囲われたゲルを目の当たりにしてちょっと残念な気がしている。

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