いまどきの大学生

 人口250万のモンゴルに大学が180校もある。そのうち国立だけでも45校もある。学生数1万人以上の大学から20人程度の単科大学まで様々であるが、これは驚くべき数である。しかもそのほとんどが、首都のウランバートルに集中している。だから、道を歩けば学生だらけで、大学の看板だらけである。
 学校に行きたくても行けないモンゴル遊牧民の女の子のドキュメンタリーを日本にいるときに見た。親から捨てられたり家出をしたりしてマンホールに住みついている子供たちのこともテレビで見た。
 ウランバートルと地方とでは大きな較差があるに違いない。今私が教えている大学の学生達を見るとこれが同じくモンゴルなのだろうかと思う。女子学生はおしゃれな子が多い。ハイヒールに皮のコート、大きなイアリングにネイルアート。寒いのにヘソ出しファッションもよく見かける。バッチリ化粧をしている学生も多い。草原に暮らすモンゴル人のおじいさん、おばあさんの顔とは全く違った顔をしている。時たまほっぺたが赤くてふっくら顔の学生を見るととても懐かしいような気になる。
 男子学生の数は女子に比べかなり少ない。日本語学科では男子学生は10人のうち1人か2人しかいない。これは、モンゴルでは、男は学問がなくても運転手や力仕事などをして働けるが、女は大学に行かないと仕事がないからだそうだ。1つの家族で男の子と女の子がいた場合、普通はまず女の子を大学に入れるのだという。
 モンゴルの教育制度は、8歳入学で4・4・2年の10年で18歳から大学に入る。小学校入学時期が遅いのは、遊牧民は小学校から寄宿舎に入れるため、6、7歳の子どもでは難しかったからである。しかし、これでは世界の教育レベルには追いつけないということで、2005年秋から7歳入学で5・4・2年
制となることが決まっている。そして、2008年からは6歳入学になる。しかし、ここで付け加えておきたいことは、モンゴルでは、その年齢に達しなくても1、2年早めに入学してもいいし、飛び級もある。だから同じクラスでも年齢が違うことは普通のことである。
 今の大学1年生は仮に6歳で入学したとすると16歳、飛び級していれば15歳。日本でいえばまだ高校生のようなものである。モンゴルの大学生がやや幼く見えるのは実際年齢が若いからだったのか。
 5月はモンゴルの卒業式シーズンである。結婚式とみまちがうような派手なドレスに身を包み、花束を持った学生達が街に溢れている。13日は人文大学の卒業式だった。式の後学生達は風船をつけた貸切バスでラマ教のお寺に行って願をかけ、展望台に行って記念写真を撮ったらしい。その後2時からは格式高いウランバートルホテルでのパーティー。夜はディスコに繰り出すという話を聞いて、どうしてそんな贅沢ができるのだろうかと不思議に思った。
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